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大小5,000体ものだるまが圧巻!彦根・龍潭寺 春のだるま祭り

麗らかな春の陽気に心弾む4月。新年度の始まりということもあり、新たな出会いや自身のステップアップなど、開運を願う方も多いのではないでしょうか。

今回はそんな開運祈願に欠かせない“だるま人形”にまつわる、年に一度のお祭りに注目。その名も“だるま祭り”が開催される、滋賀県彦根市「龍潭寺」にお邪魔しました。

※2023年4月1日時点の情報です。

 

井伊家の菩提寺・龍潭寺とは?

龍潭寺とゆかりのある人物といえば、初代彦根藩主・井伊直政。慶長5年(1600年)の関ヶ原の戦いで目覚ましい活躍を見せ、滋賀県彦根市にあった石田三成の居城・佐和山城を攻め落としたことでも知られています。

直政の一族である井伊家はもともと遠江国井伊谷(いいのや・現在の静岡県浜松市)の出自で、その地にあった龍潭寺を菩提寺(先祖の墓があり、葬礼や仏事を営む寺のこと)としていました。また、龍潭寺の二世住職・南渓瑞聞(なんけいずいもん)の弟子であったstrong>昊天宗建(こうてんそうけん)とも出会い、直政の戦いに同行していました。

直政はその後、戦いで受けた鉄砲傷が災いし、慶長7年(1602年)に死去。遺された昊天は直政の菩提寺であった龍潭寺の分寺を創建し、開山(寺院を創設した僧)として迎えられています。

 

年に2日限りの大祭・だるま祭りへ

そんな龍潭寺は禅宗の開祖・達磨大師を奉る“だるま寺”としても知られており、毎年4月1日・2日には“だるま祭り”が開催されます。

さっそく本堂に足を踏み入れてみると…

だるま、だるま、だるま。会場いっぱいに大小さまざまなだるま人形が!その数なんと5,000体。最奥にはだるまたちの頭領と言うべき、ひときわ大きなだるま像が鎮座しています。

だるま祭りは初日に住職による入魂式、2日目に祈祷法要を行います。今回は入魂式に参加する機会をいただきました。

午前10時30分。厳かな空気の中、始まりの鐘の音が響きます。

何名もの和尚さんたちがお経を読み上げる中、奥の間から現れたのは緋色の法衣に身を包んだ大僧正。

煌びやかな装いもさることながら、その圧倒的なオーラに、思わず息をのみました。

多くの参拝客が見守る中、壇上のろうそくに火がともされ、入魂の儀が始まります。

そもそも“入魂”とは、仏壇やお墓など、単なる“もの”だったものに魂入れを施し、礼拝対象にすること。今回の入魂式では、まだ“もの”の状態であるだるま人形に、この儀式をおこないます。

入魂の際に必要となるものが、お線香の煙。やさしく、どこか懐かしい香りが立ち込める中、大僧正を筆頭に、和尚さんが一体一体丁寧に、だるま人形に命を吹き込みます。

続いて、大僧正が巨大なだるま像の前に座り、読経を開始。厳かな空気の中、珍しい光景を拝見することができました。

大僧正を囲む和尚さんたちが一斉に、何やら紙を打ち付け、パラパラと開いています。こちらは、“転読”と呼ばれる、読経方法のひとつ。600巻ある大般若を短時間で読み上げるために考案されたそうです。和尚さんが慣れた手つきでお経を開き読み上げる姿は、実に鮮やか。だるま祭りと共に、ぜひ見ていただきたい光景です。

入魂を終えただるまたちは一年を通して龍潭寺で販売。500円~5万円ほどでご購入いただけます。だるま人形は願いを込めて左目を入れ、叶うと右目を入れてまたこちらに返しにくるのがならわしなのだとか。きちんと整列しただるま人形たちは、新たなおうちやお店に置かれるのを、どこか心待ちにしているようでした。

龍潭寺の堂内には襖絵や水墨画など、達磨大使にまつわる貴重な美術品や書物が展示されています。達磨のイラストが描かれた絵馬も販売されており、毎年合格祈願に多くの参拝客が訪れるのだとか。そんな達磨大師とは、いったいどんな人物なのか?次の章では、逸話多きその歴史を簡単にご紹介します。

 

禅の開祖の第一人者・達磨大師

人形のモデルとなるのが、禅の開祖・達磨大師。南インドに存在した香至国(カーンチプラ)国王の三男として生まれながら、仏教の道を志し、67年の歳月をかけてインド中に仏教を伝えたり、100歳を超える体で中国に赴き禅宗の初祖となるなど、多大な功績を残されました。

中でも達磨大師の逸話として広く知られているのが、壁に向かって座禅の修業をする“壁観(へきかん)”。座禅を“自分の心を見つめるもの”とし、なんと9年もの間、この壁観をおこなったそうです。達磨大師の名声を妬んだ者たちから非難を浴び、石を投げつけられたり毒を盛られたりする中で、くじけそうになる自身の心を見つめ、苦しみに耐える達磨大師の姿に、人々は“不屈の精神”を見出し、だるま人形を作り上げました。

「何か願いを成し遂げたい」というとき、願掛けをする対象として選ばれただるま人形は、今日でもその文化が受け継がれています。

会場には毎年お祭りに訪れている地元の方や観光で来られた方、就職活動や受験を控え必勝祈願を兼ねて訪ねられた方など、実にさまざま。魂が込められただるま人形を受け取られた方たちの表情は、皆やる気に満ち溢れていました。

 

GFC奥琵琶湖から、彦根の春の風物詩を愉しみに

「だるま寺」として有名な龍潭寺ですが、実は江戸時代、学僧たちに“造園”を教える「園頭科(えんずか)」発祥の地としても知られており、敷地内で3つのお庭を鑑賞することができるので、こちらもお愉しみに。

「龍潭寺」のだるま祭りは4月の恒例行事となっております。場合によっては桜を始め春のお花を愉しめる時期でもありますので、GFC奥琵琶湖にご宿泊の際は、ぜひ訪れてみてくださいね。

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