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越前パラデシア周辺情報

幸福度No1福井県の秘密はやはり永平寺だった?!

福井県は「一般財団法人日本総合研究所」が発表している「全47都道府県幸福度ランキング」で、2020年度までの4度にわたって総合1位にランクされています。
参考 :福井県公式サイト

人口増加率などの基本指標と、分野別指標(健康、文化、仕事、生活、教育)など全75指標により都道府県の幸福度を算出したとしていますが、指標の内容を見る限り、東京や愛知など都会のエリアが有利にみえますし、現に東京も愛知も上位にランクされています。

そんななか、それらを抑えて福井県が1位とは、いったいどうなっているのか。

今回は曹洞宗大本山永平寺をメインにご紹介し、真相に迫ります。

 

福井市街地から山奥の永平寺へ

特急バスでもえち鉄でも行ける永平寺

GFC越前パラデシアから永平寺へは、車で約1時間〜1時間30分です。
福井北インターチェンジ方面から行くのがメインのルートですが、じつは福井インターチェンジ方面の国道158号からも行くことができ、越前市方面からであればこちらのほうが速く、すいています。
駐車場は門前町にいくつかあり、300円から500円くらいです。

また、福井駅東口から特急バス、永平寺ライナーが出ています。乗車時間は30分、料金は片道750円です。
通常は行き、帰りとも約1時間おきくらいで運行していますが、現在は新型コロナウィルス感染対策で半分程度に減便されています。
路線バスではなく、観光バスのような仕様になっていて、快適に乗れます。
ほかに、福井駅からえちぜん鉄道で「永平寺口」まで行き、路線バスに乗り換えて行くという方法もあります。

時間はかかりますが、のどかな田園風景を一両で走るローカル路線として有名なえちぜん鉄道には、車やバスとはまたひと味違った魅力があります。

特急バスの永平寺ライナーとえちぜん鉄道で行きと帰りを変えてみるのもおススメです。

『京福バス株式会社』
福井県福井市日之出5-3-30
TEL. 0776-57-7700
公式サイト:https://bus.keifuku.co.jp/hw/eiheiji.shtml

そもそも、永平寺とは

山奥にある永平寺ですが、休日には多くの参拝客が訪れます。
しかし、元々は悟りを開くための修行僧の道場で、お客に見せるためのものではありませんでした。開いたのは鎌倉時代の道元というお坊さんです。

鎌倉仏教には曹洞宗や臨済宗といったいわゆる「禅宗」、親鸞が開いた「浄土真宗」などがありますが、永平寺は曹洞宗の本山です。
道元が残した『正法眼蔵』という書物をみると、かなりストイックな性格で、日々の生活そのものこそ修行である、といったスタイルが伺えます。

細かいことにもやかましい性格だったようで、「禅宗」とか「座禅」など、とにかく「禅」というワードに抵抗があり、あくまで「只管打座」「正法」だと訂正して、「曹洞宗」という呼び方も嫌いました。

今風に言うと「すごいけどちょっとめんどくさい人」かもしれません。

禅は近年「ZEN」という海外向けのイメージが受け、ファッション系や雑貨系の大手企業が大成功していますが、道元はまさにこのような商業的イメージこそ拒否したともいえます。

現在曹洞宗の寺院は全国に1万4000ヶ寺あり、神奈川にも同格の本山として総持寺がありますが、基本的に曹洞宗のお坊さんは必ずどちらかの本山で修行してから住職と認められます。

宗派としては、駒澤大学や愛知学院大学などいくつかの学校を運営しています。

人体になぞらえた伽藍配置


※永平寺全景図

永平寺の敷地は広く、山肌に貼りついたような形で多数の建物が複雑につながっているため、全体を俯瞰することはできませんが、伽藍の中心は仏殿です。普通のお寺でいう本堂にあたります。

この仏殿を人間の心臓に見立て、法堂が頭、庫院と僧堂が両手、東司と浴室が両足、という配置になっています。

これらをぐるっと回廊で回ることができます。

仏殿では本尊の『釈迦如来』を拝むことができます。

老僧が若い雲水に説法をするという法堂の内部も見学できます。

雲水たちの不思議な容貌

平日に行くと、雲水と呼ばれる若い修行僧たちが廊下や長い階段を掃除していることがあります。永平寺に入った若い雲水たちは、座禅はもちろん、一切の生活を800年前に道元が定めた規則に従って送ることになります。食事も排泄も就寝も掃除も修行です。

もちろん、スマホもテレビもありません。何年もそういう生活をひたすら続けるのです。
私たち一般客に出くわすと、雲水は自然な動きで物陰に隠れます。うまく言えませんが、気配を消す習慣になっているようです。

雲水の顔を見かけると、どういうわけかそのルックスが男らしく、涼しい眼つきに見えます。良い顔をしているのです。ハンサムとかイケメンというわけではなく、男前な感じ、でしょうか。キレイに剃られた頭がいっそう頼もしく思えます。

おそらく、普通の若者がやるような遊びを捨て、ストイックに一本の道を求め、自らの意思でここへやってきた気持ちの強さがその表情に表れているのかもしれません。

幸せの基準を考えさせられる

永平寺の修行僧、雲水たちの朝は早く、3時か4時に起床、コップ1杯の水で顔を洗い、口をすすぎます。それからは座禅、勤行、お経、「作務」と呼ばれる掃除、草刈り、冬は除雪もあります。

食事は麦ご飯とお吸い物、たくあんなどのおかずが1品です。お吸い物の水分で茶碗を洗いながら食べ終わります。無駄なおしゃべりなどは一切ありません。

毎日、毎年同じことの繰り返し、日々の生活を研ぎ澄ませることでしか、結局人間は悟りの境地に達することはない。800年前の道元から何ひとつ変わっていません。

ここを訪れて感じるのはただひとつ、人間にはこれで充分なんだな、という感覚です。
便利になっても、もっと、さらに、と「進歩」を求めてしまうのも人間ですが、他人と比較せず、自分の水準を維持するほうがよほど幸福感につながるのかもしれません。

『曹洞宗大本山永平寺』
福井県吉田郡永平寺町志比5-15
電話 0776-63-3102
拝観時間 午前8:30~午後4:30
拝観料 大人500円 小、中学生・障害者手帳をお持ちの方200円
修行体験/座禅500円、一泊修行1万円(精進料理など2食付)
公式サイト:https://daihonzan-eiheiji.com/

 

門前町のごま豆腐とあぶら揚げ

「團助」さんのごま豆腐

永平寺の門前には、お土産屋さんとお食事処が並んでいます。
名物の「ごま豆腐」永平寺御用達という「團助」が有名です。

画像引用:ごまどうふ 團助

永平寺の精進料理には、大根やしいたけを使ったイメージがありますが、精進料理の代表格として、長年受け継がれているのがごま豆腐です。
手作りの「胡麻プリン」と「黒胡麻アイス」等もテイクアウトできます。


画像引用:ごまどうふ 團助

お土産としても、常温で約3ヶ月の保存が可能です。


画像引用:ごまどうふ 團助

 


ごまどうふ『團助』
福井県吉田郡永平寺町荒谷24−7−1
電話 0776-63-3663
営業 10時から17時 定休日なし
公式ホームページ https://dansuke.co.jp/

 

谷口屋さんのあぶら揚げ


画像引用:谷口屋

あぶら揚げはテレビでもよく紹介されている、谷口屋さんのあぶら揚げが有名です。

福井の人は「アブラゲ」と呼んでいます。
大きく分厚い油揚げに大根おろし、しょうゆを少しだけかけていただきます。

あぶら揚げ『谷口屋』
福井県坂井市丸岡町上竹田37-26-1 ※永平寺門前は食事処「ほっきょ荘」
電話 0776-67-2202
営業 10時30分から15時 定休日は火曜日
公式ホームページ https://www.taniguchiya.co.jp/

 

名物・羽二重もち

福井北インターチェンジの近く、勝山街道沿いにはマエダセイカさんの「羽二重餅の古里」があります。羽二重もちの販売はもちろん、製造の様子を見学することも出来ます。

福井名物のひとつ羽二重もちは、柔らかく、シンプルな味わいで、かなりの確率でクセになります。数日経つとまた無性に食べたくなってしまいます。

松岡軒さんや錦梅堂さんといった老舗が数点あり、福井駅周辺にはこれらの店舗がほぼ揃っています。

羽二重もち マエダセイカ
福井県吉田郡永平寺町松岡吉野35-21-1
0120-363-456
営業 8時から17時、定休日なし
※製造工場見学は新型コロナウィルス感染拡大防止対策などにより中止になる場合があります。詳しくはホームページ等で確認してください。
公式オンラインショップ https://maedaseika.stores.jp/

まとめ

今回は福井県北部の永平寺を中心にしたスポットをご紹介しました。GFC越前パラデシアからは車以外でも福井駅経由で片道1時間30分程度の場所にあります。

仏教の本山で多いのは京都や奈良のイメージですが、じつは福井は永平寺以外にも浄土真宗の本山が4つあり、京都、奈良に次ぐ仏教王国です。

それにしても、東京や愛知などの大都会が嫉妬する「幸福県」福井の裏に永平寺の精神が息づいているという仮説はまんざらでもなさそうです。

もちろん、直接的な要因は、福井県による「地場産業などの構築や繁栄」「教育水準の高さ」「公的施設の充実」などによる成果でしょう。問題はその底に流れる精神性です。

福井の人たちはアピールが下手だと言われていますが、自分の県の良さを他へPRするのが苦手というか、気質にあっていないのかもしれません。しかし旅行先や移住地として大変人気があります。言い換えれば、まだまだポテンシャルが高いのかもしれません。

 

この記事を書いた人
かのまお
放浪ライター。年の半分は福井や滋賀など関西~北陸を中心に放浪しています。尊敬する人は山下清。小説も出版してます。

 

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