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越前パラデシア周辺情報

超ローカル線な越美北線で巡る歴史街道旅!福井奥越「白山平泉寺」や「越前大野城」

福井県は南北で越前と若狭というふたつのエリアで分けられ、県内の天気予報などでは北は嶺北、南は嶺南と呼ばれています。

ところが、福井にはもうひとつ、奥越と呼ばれるエリアがあります。永平寺より東側、市町村で言うと勝山市と大野市です。

このエリアは古代は栄えたこともありましたが、近代以降は陸の孤島のようになり、そのためかえって古い街や習慣などが残る結果となりました。新幹線開通を控えた海岸方面のエリアが福井の表だとすると、奥越は福井の奥座敷といえます。

古代宗教都市だった白山平泉寺や越前大野城をめぐってみます。

 

超ローカル線「越美北線」

GFC越前パラデシアから一乗谷へは、車で約1時間、大野市までなら約1時間30分です。
福井駅から九頭竜湖までをむすんでいるJRの越美北線は、越前花堂、大野市を経由しています。

この越美北線は、ワンマン運転で旧式のディーゼル車両らしくかなりやかましい音を立てて渓谷を走ります。

実は越美北線に対応して越美南線があり、これは現在岐阜県を走る長良川鉄道になっています。

長良川鉄道の北の端が北濃という駅で、そこと九頭竜湖駅との間のあと10キロがつながれば、岐阜と福井をつなぐ路線になり、「越美線」となるはずでした。

その計画がなくなって半世紀が経った現在は、越美北線の存続が危ぶまれています。今は福井と大野のあいだが一日8便、大野から先は4便に減便して運行しています。

 

しかし、この路線はなかなか風情があり、秋は「紅葉列車」といわれるほどです。これは地元でしか知られていないほどささやかなものです。しかし紅葉が好きで、もし鉄道も好きなら天国のような路線です。

 

戦国の夢の街、朝倉氏の一乗谷

福井の中心街だった一乗谷朝倉氏遺跡

一乗谷駅から歩いて10分、車なら福井インターチェンジから10分で、国の特別史跡「一乗谷朝倉氏遺跡」があります。

今から500年ほど前、ここが福井の中心地でした。今でいう県庁所在地です。朝倉一族初代から5代によって繫栄した平和な街は、5代目の朝倉義景が織田信長に滅ぼされるまでの103年間続きました。

古代から、越前に住む人たちの性質は温和で辛抱強いと言われ、中世以降は本願寺蓮如の布教もあり信仰心が厚いとも言われてきました。その性質は今でも変わっていません。

復元された街並みや、いくつかある庭園も見学できます。

一乗谷に街を作った朝倉氏は、争いを好まず、平和な街を作り上げ、人々は稲作を続け、文化レベルの高い生活を送っていました。

朝倉義景も、隣国近江の浅井氏と緩やかな連携をするにとどまり、戦いを避け、京の政治にも無関心で、公方足利義昭を受け入れても自ら上洛することはありませんでした。

織田信長に対しても無視を続け、とにかく越前の暮らしを第一に考えたのです。

織田信長は戦乱の世を終わらせるために戦い、朝倉義景は戦乱を避けて戦いませんでした。

平和を求めながら滅んでいった越前の人々の400年前の暮らしがここにあったとは思えないほど、今は静かな山裾の跡地です。

一乗谷朝倉氏遺跡
住所:福井県福井市城戸ノ内町
開場:9時〜17時00分(入場は16時30分まで)
入場料:個人330円(税込)、団体(20人)以上割引あり
休館日:年末年始(12月28日〜1月4日)復原町並以外の場所は無料。休日無し。
駐車場あり
HP:福井市文化遺産ホームページ

オープン間近の一乗谷朝倉氏遺跡博物館

一乗谷の駅からすぐのところに、建て替え中の博物館が工事中ですが、ほぼ出来上がっています。2022年10年1日オープン予定です。

遺跡からは膨大な遺物が発掘されており、その一部を展示しています。

 

福井県立一乗谷朝倉氏遺跡資料館
住所:福井市安波賀中島町8-10
電話:0776-41-7700
開館時間:9:00~17:00(入館は16:30まで)
※10月1日(土)は、13時より一般開放となります。
観覧料: 一般700円、高校生400円、小中学生200円、70歳以上350円
団体:(20名様以上)は2割引
年間パスポートあり
※特別展の観覧料は別に定めます
休館日:毎週月曜日、年末年始
駐車場あり
HP:福井県立一乗谷朝倉氏遺跡資料館

 

天空の城・越前大野城

越美北線では、福井駅から小一時間、一乗谷駅からなら30分ほどで越前大野駅に到着します。大野市にある越前大野城は、大野駅から歩いて10分です。

標高249メートルの山の上にあり、時間や気象条件によっては雲海が見られます。

しかし普通に登っても美しいお城ですし、景色もすばらしいです。

城下町では昔の雰囲気を残す古いお店が並び、朝市も開かれています。

越前大野城
住所:福井県大野市城町3-109
開館時期:4月~9月 午前9時~午後5時
10月〜11月 午前9時〜午後4時※早朝開館する場合があります。※閉館30分前までにご入館ください。
休館期間:12月1日~3月31日
入館料:大人300円 30名以上の団体:150円 障害者:150円 年間パスポート:700円 小人無料 (中学生以下)
HP:大野城公式

 

老舗食堂で大野名物「しょうゆカツ丼」

城下町をぶらぶらしていると、気になる店構えの食堂があります。
食堂ではなく、レストランです。「レストランときわ」と書いてあります。
タイル張りの外壁で、昭和感たっぷりのガラスケース。中は広く、私が行った時はおばちゃんが一人で切り盛りしていました。

暑い日だったからか、キンキンに冷えたミネラルウオーターをペットボトルごと出してくれました。メニューを見てみると、「大野名物・しょうゆカツ丼」とあります。

福井名物といえば、ヨーロッパ軒さんに代表される「ソースカツ丼」ですが、やはり奥越では独自の文化が残っています。

 

レストランときわ
住所:福井県大野市元町5-18
電話:0779-66-2489
営業時間: 11時00分~18時00分
定休日: 木曜日
駐車場あり

 

1000年前の宗教都市・平泉寺白山神社

平泉寺白山神社は大野市の北隣に位置する勝山市にあり、越前大野城からだと距離にして約10キロ、車で15分程度、電車はありません。

えちぜん鉄道の勝山駅からは約5キロです。アクティブな人なら勝山からでも大野からでもレンタルサイクルで向かってみてもいいでしょう。電動アシストサイクルがおすすめです。

史跡全体を見学する出発点となっている史跡エントランスから入ると、美しい石畳みが続き、さらに参道を進みます。

途中には、この史跡や白山の歴史・自然・文化に関することを展示紹介している「白山平泉寺歴史探遊館 まほろば」があります。時間があれば寄ってから参拝するに越したことはありません。

参道はひたすら長く続き、森の中を歩いていきます。霊峰白山へお参りをするときの登り口として平安時代に泰澄という僧侶によって開かれました。当時は50もの建物が並び、6000人のお坊さんが暮らしたという一大宗教都市でした。

拝殿の手前まで来ると、そこはいちめんの苔、苔のじゅうたんです。

戦国時代末期の1574年(天正2年)、ちょうど織田信長が本願寺の一向一揆勢力と戦っているころ、やはり一向一揆の兵火により全山が焼失してしまいました。それにしても、現在はこうして緑豊かな自然の中でわずかに1000年前の名残を残して訪れる人を癒しています。

あまりにも広大な史跡ですので、全部歩いてみると2時間半から3時間かかります。この境内だけでなく周辺は今も発掘調査が続いていて、どうやら当時はさらに10倍もの広さがあったと推定されています。

国史跡・白山平泉寺
福井県勝山市平泉寺町平泉寺56
境内自由
駐車場あり
HP:国史跡・白山平泉寺

 

白山平泉寺歴史探遊館 まほろば
住所:福井県勝山市平泉寺町平泉寺 第66号2番地12
入館料: 無料
開館時間: 午前9時から午後5時まで(入館は午後4時30分まで)
休館日: 年末年始
HP:白山平泉寺歴史探遊館 まほろば公式

 

そばの名店、八助

勝山市の市街地には、「八助」というそばの名店があります。細い路地を入ったところにあります。

しかし残念ながら、現在は新型コロナウィルス感染拡大防止のため店内営業は一切停止しており、すべてテイクアウト営業でした。

駐車場に食べるスペースはありますが、猛暑ではかなり厳しく、車の中での食事をお勧めします。

手打ちなのはもちろんですが、そばの歯ごたえが絶妙で、おろしも新鮮で申し分なく紛れもない名店です。量は多くないのですが、「良いそばを食べた感」は満足できます。

手打ちそば 八助

住所:福井県勝山市栄町1丁目1−8
電話:0779-88-0516
営業時間:11時~14時
定休日:金曜日
公式フェイスブック

※現在、新型コロナウィルス感染拡大防止のため店内営業は一切停止しており、すべてテイクアウト営業となっています。詳細はお問い合わせください。(2022年8月取材時)

 

まとめ

今回は福井県奥越を中心にしたスポットをご紹介しました。GFC越前パラデシアからは車で片道1時間から1時間30分程度の場所にあります。

JRの越美北線はずっと廃線の話が続いているほど運行本数が少なく、使い勝手がいいとはいえませんが、地元の人にとっては大事な交通手段ですし、季節によっては美しい自然が拝めます。

越前大野城のすぐ南側には、朝倉義景が最期に追い詰められて自刃した場所、曹源寺(福井県大野市明倫町2-18)や朝倉義景墓所(福井県大野市泉町10)もあります。

さらにお城の北側には、亀の湯という地元で知らない人がいない銭湯があります。毎日店主がおがくずでじっくり湯を沸かしているため、湯冷めしないと評判で、県外からも銭湯ファンがやってくるといいます。

亀の湯(福井県大野市城町7-18)

電車で行く場合は、越美北線で行く大野市とえちぜん鉄道で行く勝山市で分けたほうがいいかもしれません。

福井の奥座敷とも言える奥越エリアには歴史の息遣いを感じるスポットが沢山あります。いつもとは違ったローカル線の鉄道にゆらりゆられて、奥越エリアの歴史にふれる旅などはいかがでしょうか。

この記事を書いた人
かのまお
放浪ライター。年の半分は福井や滋賀など関西~北陸を中心に放浪しています。尊敬する人は山下清。小説も出版してます。

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